DTS、理研のスーパーコンピュータ「ROQUO」構築を担当
19.8ペタフロップスを達成し運用開始
株式会社DTSが中心となる合同チームがシステム構築を担当した、理化学研究所のJHPC-quantum GPUスーパーコンピュータ「ROQUO(ろっこう)」が、理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS/神戸市)にて運用を開始しました。「ROQUO」は、量子コンピューティングと高性能計算(HPC:High Performance Computing)の連携を加速するために整備された新たな計算基盤です。NVIDIA社の最新Grace Blackwellプラットフォーム「GB200 NVL4」を採用し、量子HPC連携プラットフォームに求められる高性能・低遅延・広帯域な計算環境を実現します。
DTSが中心となる合同チームが「ROQUO」の構築を担当
株式会社DTS(本社:東京都中央区、代表取締役社長:北村 友朗)は、理化学研究所が主体となって進める量子コンピューティングとHPCの連携プロジェクトにおいて、JHPC-quantum GPUスーパーコンピュータ「ROQUO」のシステム構築を完了しました。DTSは、機器調達、システム構築、設置、保守運用まで、プロジェクトの各フェーズにおいて高い専門性を持つ企業を選定。グループ会社であるデジタルテクノロジー株式会社をはじめ、株式会社ScaleWorX、GIGA Computing Technology CO.LTD.と合同チームを組織し、理化学研究所 計算科学研究センターの要求仕様に基づいたシステム構築を推進しました。
この合同チームにより構築された「ROQUO」は、予定通り運用を開始しており、量子コンピューティングとスーパーコンピュータを連携させる研究開発基盤として活用されます。
NVIDIA Grace Blackwell「GB200 NVL4」を採用した本格運用システム
「ROQUO」は、NVIDIA社の最新Grace Blackwellプラットフォーム「GB200 NVL4」を採用した、世界をリードする本格運用システムの一つです。GB200 NVL4は、1ノードあたり2基のNVIDIA Grace CPUと4基のNVIDIA Blackwell GPUを、NVLink-C2C相互接続技術で統合するプラットフォームです。生成AIの大規模学習・推論に特化した72 GPU構成のGB200 NVL72に対し、GB200 NVL4は4 GPU構成とすることで、HPC、科学技術計算、量子HPC連携などへの適用も考慮した設計となっています。
設置・運用面での柔軟性と、コストパフォーマンスのバランスに優れている点も特徴です。
国内初導入の高速ネットワーク技術「InfiniBand XDR 800」
「ROQUO」では、NVIDIA社が提供する高速ネットワーク技術「InfiniBand XDR 800」および、同ファブリックを構成するNVIDIA Quantum-X800 Q3400スイッチを日本国内で初めて導入しています。量子コンピューティングとHPCを連携させるプラットフォームでは、ノード間通信の低遅延化と広帯域化が重要になります。「ROQUO」は、この高速ネットワーク技術により、量子HPC連携に必要な高度な計算処理とデータ連携を支える基盤を実現しています。
HPLベンチマークで19.8ペタフロップスを達成
運用準備の一環として実施されたHigh Performance Linpack(HPL)ベンチマーク計測において、「ROQUO」は倍精度浮動小数点演算(FP64)で19.8ペタフロップスを達成しました。HPLは、密行列の線形方程式系を解く処理性能を測定するベンチマークであり、世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500」の評価指標としても広く用いられています。
今回の実測値は、「ROQUO」の全計算ノードである計算ノード135台、GPU 540基を用いた計測結果です。量子コンピューティングとHPCの連携研究において、非常に高い計算性能を発揮することが期待されます。
温水冷却サーバにより電力消費を約20%以上削減
「ROQUO」は、温水冷却サーバを採用している点も大きな特徴です。外気を利用する「フリークーリング」技術により、圧縮機を使用せず、冷却塔だけで水を冷やすことができます。これにより、冷却に必要なエネルギーを大幅に削減することが可能です。
「ROQUO」では、神戸市の真夏でも自然の力のみで冷却可能な32℃の水を冷却水として使用します。同規模のスーパーコンピュータと比較して、システム全体の電力を約20%以上削減できる仕様となっており、高性能計算と省エネルギー運用の両立を目指しています。
「ROQUO」の名称は六甲山に由来

「ROQUO」という名称は、神戸市を象徴する六甲山にちなんで名付けられました。理化学研究所 計算科学研究センターが位置する神戸にゆかりのある名称であり、前面パネルには六甲山から見た神戸市の夜景をモチーフとしたデザインが採用されています。また、プロジェクトに参加した企業のロゴも記載されており、合同チームによる取り組みを象徴するデザインとなっています。
JHPC-quantumプロジェクトの一環として運用
「ROQUO」の運用は、JHPC-quantumプロジェクトの一環として実施されています。本プロジェクトは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(JPNP20017)」における委託事業「計算可能領域の開拓のための量子・スパコン連携プラットフォームの研究開発」によって進められています。
研究代表者は、理化学研究所 計算科学研究センター 量子HPC連携プラットフォーム部門 部門長の佐藤 三久氏です。
「富岳」や量子コンピュータと連携する量子HPC連携プラットフォーム

量子HPC連携プラットフォームでは、理化学研究所 計算科学研究センター(神戸)に「富岳」「ibm_kobe」「ROQUO」が集約されます。さらに、SINETを介して大阪大学、東京大学、ソフトバンク、理化学研究所(和光)の「黎明」と接続されることで、量子コンピューティングとスーパーコンピュータを連携させる高度な研究開発環境が整備されます。
これにより、従来のスーパーコンピュータだけでは困難だった計算領域の開拓や、量子コンピュータとHPCを組み合わせた新たな計算手法の研究が期待されます。
DTSについて
株式会社DTSは、総合力を備えたトータルシステムインテグレーターです。金融、情報通信、製造、公共、建築分野などに向けて、コンサルティングからシステム設計・開発、基盤構築、運用までをワンストップで提供しています。また、DTSグループは、システムに関わるさまざまな専門性を活かし、付加価値の高いサービスを展開しています。
本社所在地は、東京都中央区八丁堀2-23-1 エンパイヤビルです。
関連情報
理化学研究所は、2026年6月19日に「ROQUO」に関するプレスリリースを発表しています。また、デジタルテクノロジー株式会社も同日、本プロジェクトに関するプレスリリースを発表しています。
記載されている会社名、製品名およびロゴマークは、各社の商標または登録商標です。
記事要約(Summary)
株式会社DTSが中心となる合同チームは、理化学研究所のJHPC-quantum GPUスーパーコンピュータ「ROQUO」のシステム構築を完了し、同システムの運用が開始されました。「ROQUO」は、NVIDIA Grace Blackwellプラットフォーム「GB200 NVL4」を採用し、国内初となる「InfiniBand XDR 800」およびNVIDIA Quantum-X800 Q3400スイッチを導入した、量子コンピューティングとHPCの連携を支える新たなスーパーコンピュータです。HPLベンチマークでは19.8ペタフロップスを達成し、温水冷却サーバとフリークーリング技術により、同規模システムと比較して全体の電力を約20%以上削減できる仕様となっています。
「ROQUO」は、理化学研究所 計算科学研究センターに設置され、「富岳」や量子コンピュータと連携する量子HPC連携プラットフォームの中核的な計算基盤として、今後の研究開発に貢献することが期待されます。
■プレスリリース配信元-株式会社DTS
























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