Japan Mobility Show 2025にマツダのビジョンモデルとして採用
和紙調炭素繊維不織布を創出し、幅広い分野での用途展開へ
東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大矢光雄)は、熱硬化性樹脂からなる炭素繊維複合材料(CFRP)を分解し、炭素繊維の強度と表面品位を維持したままリサイクル可能な新技術を開発しました。
この新技術によって得られるリサイクル炭素繊維(rCF)を用い、「和紙調炭素繊維不織布」の創出にも成功。自動車・建築・電気電子・日用品など、幅広い分野での実用化を視野に、試作サンプルの提供を開始しています。
従来技術を超える高性能リサイクルを実現

CFRPは航空機や風力発電用ブレード、自動車などで使用されていますが、従来のリサイクルでは高温熱分解による炭素繊維の損傷が課題でした。東レは有機合成・ポリマー重合技術を活かし、三次元架橋構造を持つ難分解性の熱硬化性樹脂を低温で分解可能な新規分解剤によって処理。航空機や自動車など多様なCFRP廃材の分解に成功しました。この技術により得られたrCFは、バージン炭素繊維比で95%以上の強度保持率を実現し、CO₂排出量を50%以上削減。環境負荷の大幅な低減と高い性能維持を両立しています。
和紙の風合いを持つ新素材「和紙調炭素繊維不織布」

本技術で得られたrCFは、従来のrCFに比べて繊維折損が少なく、樹脂残渣も低減。これにより表面品位が高く、加工性にも優れています。さらに、短繊維を水中で分散しシート化する工程で分散性を最適化することで、和紙のような風合いを持つ炭素繊維不織布を開発しました。
この不織布は、電波遮蔽性・熱伝導性などの機能性と、和紙のような意匠性を併せ持つ新素材として注目されています。デザイン性と機能性を兼ね備え、内装・外装、家電・日用品、建材など多分野への展開が期待されます。
Japan Mobility Show 2025での展示

この「和紙調炭素繊維不織布」は、2025年10月30日(木)~11月9日(日)に東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2025」に出展中のマツダ株式会社のビジョンモデルに内装・外装部品として採用されています。脱炭素社会の実現に向けた持続可能なデザイン素材として、来場者からも大きな注目を集めています。
環境省事業への参画と今後の展望
本技術および炭素繊維不織布の加工技術は、環境省の「脱炭素型循環経済システム構築促進事業(令和6年度・7年度)」の一環として得られた成果です。東レは今後も、サステナブル素材の開発を通じて資源循環型社会の実現を目指します。
東レのサステナビリティ・ビジョン
東レグループは「資源が持続可能な形で管理される世界」を2050年の目標に掲げ、持続可能な技術革新を推進しています。企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を実践し、環境・社会・経済の調和を実現する研究開発を継続していきます。
展示概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展示会名 | Japan Mobility Show 2025 |
| 主催 | 一般社団法人 日本自動車工業会(JAMA) |
| 会期 | 2025年10月30日(木)~11月9日(日) |
| 会場 | 東京ビッグサイト |
| 公式サイト | https://www.japan-mobility-show.com/ |
記事要約(Summary)
- 東レが炭素繊維強度を維持できるリサイクル新技術を開発
- rCFの強度保持率95%以上・CO₂排出量50%以上削減を実現
- 和紙のような質感を持つ炭素繊維不織布を創出し、新たな用途展開へ
- Japan Mobility Show 2025でマツダ車両に採用・展示
- 環境省「脱炭素型循環経済システム構築促進事業」に採択
- 東レは「持続可能な循環型社会」の実現を目指し、技術開発を継続
■プレスリリース配信元-東レ株式会社
https://companydata.tsujigawa.com/company/5010001034867/

























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