吸着ヒートポンプ(AHP)と高機能ゼオライト「AQSOA®」
量産・製品開発を強化、データセンター排熱を冷却エネルギーへ転換
AHP(吸着ヒートポンプ)および高機能ゼオライト「AQSOA®」の開発・量産・販売を手がけるPOLASTECH株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:垣内 博行)は、シード2(Seed2)ラウンドにおいて、S2種優先株式の第三者割当増資により、総額1.4億円の資金調達を実施したことを発表しました。今回の引受先は、クラフティアイノベーション投資事業有限責任組合(通称:KRAFTIA Innovation Fund、無限責任組合員:Spiral Innovation Partners有限責任事業組合)、東海研究開発1号投資事業有限責任組合(無限責任組合員:株式会社Central Japan Innovation Capital、以下「CJIC」)、有限会社柴田熔接工作所です。
調達資金を活用し、高機能ゼオライト「AQSOA®」の量産体制強化をはじめ、データセンター向けAHPシステムの開発・製品化、国内外での実証試験やPoC(概念実証)の拡大、事業開発・エンジニアリング体制の強化、海外展開に向けた人材確保・拠点整備を推進します。
POLASTECHは、生成AIの普及によって急速に拡大するデータセンターの電力消費と排熱という課題に対し、これまで十分に利用されてこなかった低温排熱を冷却エネルギーへ転換する技術によって、新たな冷却インフラの確立を目指します。
2050年に「排熱」のない社会を実現へ
POLASTECHが掲げるビジョンは、「2050年に『排熱』のない社会を実現する」ことです。同社は、データセンターおよび産業分野における冷却エネルギーの革新を目指すディープテック企業として、高機能ゼオライト「AQSOA®」と吸着ヒートポンプ(AHP)を組み合わせた排熱活用技術の社会実装を進めています。生成AIやクラウドサービスの急速な普及に伴い、大規模な計算処理を担うデータセンターの需要は世界的に拡大しています。それと同時に、サーバーやGPUなどの高性能化によって発熱量が増加し、データセンターにおける冷却設備の電力消費も大きな課題となっています。
今後は、従来の空冷方式から、サーバーや半導体を液体によって効率的に冷却する液冷方式や液浸冷却方式への移行が進むと見込まれています。一方、こうした冷却システムからは、約50~60℃の低温の廃温水・排熱が発生することが想定されています。
この温度帯の排熱は、従来の発電や蒸気利用には温度が低く、十分に再利用することが難しいため、その多くが未利用のまま外部へ排出されてきました。POLASTECHは、この「低温であるがゆえに利用されてこなかった排熱」に着目しています。
50~60℃の低温排熱を冷却エネルギーに変える吸着ヒートポンプ

POLASTECHが開発を進める吸着ヒートポンプ(AHP:Adsorption Heat Pump)システムは、データセンターなどから排出される低温排熱を直接エネルギー源として利用できることを大きな特長としています。従来の電力依存型の冷却方式では、冷熱を生み出すために電力を継続的に投入する必要があります。これに対しPOLASTECHのAHPシステムは、これまで捨てられていた排熱そのものを駆動源として活用し、冷却に利用可能な冷熱へと転換します。
これにより、
- データセンターの冷却電力削減
- PUE(Power Usage Effectiveness:電力使用効率)の改善
- 未利用排熱の再資源化
- CO2排出量削減
- カーボンニュートラル・脱炭素経営への貢献
といった複数の効果を同時に実現することを目指しています。また、液冷方式や液浸冷却方式とAHPを組み合わせたハイブリッド型の冷却システムにも適用可能であり、次世代データセンターにおける新たな冷却・熱マネジメントインフラとしての活用が期待されています。
高機能ゼオライト「AQSOA®」を中核材料として活用

POLASTECHのAHP技術を支える中核材料が、高機能ゼオライト「AQSOA®」です。AQSOA®の持つ吸着・脱着特性を活用することで、従来は活用が難しかった比較的低い温度帯の排熱から冷熱を生成する吸着ヒートポンプシステムの構築を目指しています。
POLASTECHは、材料開発だけではなく、AQSOA®の製造・量産からAHPシステムの開発・販売までを一体的に推進することで、材料技術とエンジニアリング技術を融合した排熱活用ソリューションの事業化に取り組んでいます。
シード2ラウンドで総額1.4億円を資金調達
今回POLASTECHは、シード2ラウンドにおいて、S2種優先株式の第三者割当増資による総額1.4億円の資金調達を実施しました。引受先は以下の3者です。
- クラフティアイノベーション投資事業有限責任組合
通称:KRAFTIA Innovation Fund
無限責任組合員:Spiral Innovation Partners有限責任事業組合 - 東海研究開発1号投資事業有限責任組合
無限責任組合員:株式会社Central Japan Innovation Capital(CJIC) - 有限会社柴田熔接工作所
今回の資金調達により、研究開発フェーズから実証・製品化・量産、さらに国内外への事業展開へと移行するための体制を強化します。
調達資金の主な用途
POLASTECHは、今回調達した資金を主に以下の用途へ充当する予定です。
1.AQSOA®の量産体制強化
データセンターや産業設備への本格導入を見据え、高機能ゼオライト「AQSOA®」の安定供給と生産拡大に向けた量産体制を強化します。
2.データセンター向けAHPシステムの開発・製品化
データセンターから発生する低温排熱を活用するAHPシステムについて、実際の設備環境への導入を想定した開発・製品化を進めます。
3.国内外での実証試験・PoCの拡大
データセンター事業者をはじめ、設計会社、設備メーカー、エネルギー事業者などとの連携を強化し、国内外で実証試験やPoCを拡大します。
4.事業開発・エンジニアリング体制の強化
材料開発だけではなく、設備設計、システム開発、顧客への導入支援などを担う事業開発・エンジニアリング人材の採用と組織体制の強化を進めます。
5.海外事業展開に向けた人材確保・拠点整備
世界的に拡大するデータセンター市場を視野に、海外事業を推進するための人材確保や海外拠点整備に向けた準備を進めます。
データセンター事業者・設備メーカーなどとの共同開発を加速
POLASTECHでは今後、国内外のデータセンター事業者を中心に、データセンター設計会社、設備メーカー、冷却設備メーカー、エネルギー事業者など幅広い企業との実証・共同開発を加速します。生成AIの普及によってデータセンターの計算能力が拡大する一方、サーバー冷却に必要となる電力や発生する排熱をどのように処理するかは、データセンター業界における重要な課題の一つとなっています。
POLASTECHは、単に排熱を外部へ捨てるのではなく、排熱を再び冷却に利用する循環型のエネルギーシステムを構築することで、データセンターのエネルギー効率向上と脱炭素化の双方に貢献することを目指します。
投資家コメント
Spiral Innovation Partners株式会社
市場実績のあるAQSOA®を用いたAHPを特にデータセンターに実装していくにあたって機が熟したタイミングだと捉えて今回出資させていただきました。材料及び装置の開発に関するスペシャリストの集結したチームにも高い期待をしております。弊社としても多面的かつ全力で支援してまいります。
Spiral Innovation Partners株式会社
ジェネラルパートナー 鎌田 和博 氏
有限会社柴田熔接工作所
代表取締役 柴田 勝紀 氏
POLASTECHの技術は、産業界のエネルギー効率改善に大きく貢献する可能性を秘めています。特殊プロセス冷却プラント装置製造を生業とする当社とのシナジーを最大限創出するべく、事業開発・技術開発の面において協力を進めて参ります。
有限会社柴田熔接工作所
代表取締役 柴田 勝紀 氏
東海研究開発1号投資事業有限責任組合(CJIC)
代表取締役 武田 一哉 氏
基礎研究の段階より名古屋大学と長らく共同研究を重ねられたPOLASTECHの技術は、現代の計算資源が直面する排熱課題を解決する革新的なソリューションです。その社会実装を支援し、持続可能な未来社会の実現に共に貢献してまいります。
東海研究開発1号投資事業有限責任組合(CJIC)
代表取締役 武田 一哉 氏
今後の展望
POLASTECHは、高機能ゼオライト「AQSOA®」を中核材料とする吸着ヒートポンプ技術を活用し、これまで捨てられていた未利用排熱を価値あるエネルギーへと転換する事業を推進します。特にデータセンター分野では、生成AIの普及や高性能GPUの利用拡大によって、今後さらに冷却需要と排熱処理の重要性が高まることが予想されます。POLASTECHは、革新的な材料技術と高度なエンジニアリング技術を組み合わせることで、データセンターの排熱問題に対応する次世代冷却ソリューションの社会実装を進めます。
さらに、データセンターにとどまらず、工場や産業設備など大量の熱エネルギーを使用する分野への展開も視野に入れ、未利用排熱を循環利用する社会インフラの構築を目指します。
「2050年に『排熱』のない社会を実現する」というビジョンのもと、エネルギー多消費産業の構造転換とカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
POLASTECH株式会社について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | POLASTECH株式会社 / POLASTECH INC. |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 代表者 | 代表取締役 垣内 博行 |
| 事業内容 | ・高機能ゼオライト「AQSOA®」の製造・販売・吸着ヒートポンプ(AHP)システムの開発・販売 |
| 公式サイト | https://polastech.co.jp/ |
記事要約(Summary)
POLASTECH株式会社は、シード2ラウンドにおいて、KRAFTIA Innovation Fund、東海研究開発1号投資事業有限責任組合(CJIC)、有限会社柴田熔接工作所を引受先とする第三者割当増資により、総額1.4億円の資金調達を実施しました。調達資金は、高機能ゼオライト「AQSOA®」の量産体制強化、データセンター向け吸着ヒートポンプ(AHP)の開発・製品化、国内外でのPoC・実証実験、事業開発・エンジニアリング体制の強化、海外展開に向けた人材・拠点整備などに活用します。同社のAHP技術は、データセンターの液冷化などに伴って発生する50~60℃程度の低温排熱をエネルギー源として冷熱へ転換することを目指す技術です。
冷却電力の削減やPUE改善、排熱の再資源化、脱炭素化への貢献を通じて、生成AI時代のデータセンターが抱えるエネルギー・排熱問題の解決を目指します。POLASTECHは今後、国内外のデータセンター事業者、設計会社、設備メーカー、エネルギー事業者などとの共同開発・実証を拡大し、「2050年に『排熱』のない社会」の実現に向け、次世代排熱活用・冷却ソリューションの社会実装を加速していきます。
■プレスリリース配信元-POLASTECH株式会社
























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