日本政策金融公庫の創業融資と福岡市の制度融資を併用。
「金融・資産運用特区」福岡で個人向けVC「みなとファンド」を展開
「金融・資産運用特区」で個人向けVC「みなとファンド」を組成・運営するみなと投資株式会社(本社:福岡県福岡市中央区、代表取締役:小板橋達也)は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」と、西日本シティ銀行を取扱金融機関とする「福岡市創業支援資金(スタートアップ資金)」を活用し、創業期におけるデットファイナンスを実施しました。
みなと投資は、個人投資家と未上場企業をつなぐ金融サービスを展開する新興のファンド運用会社です。スタートアップや未上場企業へ資金を供給する立場である一方、同社自身も創業期の事業者として、日本政策金融公庫や自治体による公的な創業支援制度を活用し、事業基盤の構築に向けた資金調達に取り組みました。
新興運用会社による日本政策金融公庫の創業融資と自治体制度融資の併用は、九州では初めての事例となります。
新興ファンド運用会社が抱える「ファンド組成前」の資金調達課題
新たにベンチャーキャピタル(VC)やファンドを立ち上げる運用会社には、ファンドの運用開始前に一定の先行投資が必要となります。投資家から資金を預かるためには、ファンドの募集や運用を開始する前の段階から、法務・会計・コンプライアンスをはじめとする運営体制を整備し、投資家に対して十分な説明ができる環境を構築しなければなりません。一方、運用会社にとって主要な収益源となる管理報酬は、原則としてファンドが実際に立ち上がった後に発生します。
そのため、「ファンドを立ち上げるために資金が必要であるにもかかわらず、ファンドが立ち上がるまでは安定した収益が発生しにくい」という資金調達上の課題があります。
米国では、こうした期間の資金需要を支える仕組みとして「Management Fee Facility」と呼ばれる金融手法が存在します。将来発生するファンドの管理報酬などを踏まえて運用会社へ資金を供給する考え方ですが、日本国内では、新興運用会社の将来の管理報酬を返済原資として評価する金融手法は、十分に確立されていないのが現状です。
みなと投資は、新たなファンド運用会社や資金の出し手が市場へ参入することが、未上場企業にとって資金調達手段の多様化につながると考え、既存の公的な創業支援制度を活用する形で創業期の資金調達を実施しました。
日本政策金融公庫と福岡市の創業支援制度を併用
今回、みなと投資が活用したのは、日本政策金融公庫による「新規開業・スタートアップ支援資金」と、西日本シティ銀行を取扱金融機関とする「福岡市創業支援資金(スタートアップ資金)」です。日本政策金融公庫による創業融資と自治体の制度融資を組み合わせる方法は、一般的なスタートアップや創業期の企業において活用されている資金調達手法の一つです。しかし、金融・保険業については制度上の対象範囲に制限があり、みなと投資の事業領域を含む一部の業種がこうした制度の対象となったのは、2023年8月の政令改正以降となります。
今回、新興のファンド運用会社であるみなと投資が両制度を併用して創業期の資金調達を実施したことは、九州では初めての事例となりました。対象範囲の拡大によって、これまで公的な創業支援制度を活用しにくかった金融関連のスタートアップや新興運用会社にとっても、創業期の資金調達手段が広がりつつあります。
福岡の金融・スタートアップ支援機関との連携で実現
今回の資金調達は、以下の各機関による支援を受けて実現しました。
・日本政策金融公庫 福岡スタートアップサポートプラザ
・西日本シティ銀行 ビジネスサポートセンター福岡
・福岡市
・福岡県信用保証協会
福岡市では、スタートアップ支援に加え、「金融・資産運用特区」の取り組みを通じて、金融機能の集積や新たな資産運用ビジネスの創出に向けた環境整備が進められています。みなと投資は福岡を拠点に、個人投資家が未上場企業への投資に参加できる仕組みの構築を進めています。今回のデットファイナンスを事業基盤の強化につなげるとともに、新たな資金の出し手を増やし、未上場企業にとって多様な資金調達の選択肢が生まれる市場づくりを目指します。
個人向けVC「みなとファンド」を組成・運営
みなと投資は、個人向けベンチャーキャピタル(VC)「みなとファンド」の組成・運営を行っています。従来、ベンチャーキャピタルや未上場企業への投資は、機関投資家や事業会社、一部の富裕層などが中心となるケースが多く、一般の個人投資家にとって参加機会は限定的でした。みなと投資は、個人投資家と未上場企業をつなぐ金融サービスを開発・運営することで、スタートアップ・未上場企業への新たな資金供給ルートの構築を目指しています。
また、国家戦略特別区域における特例制度などを活用しながら、福岡を拠点とした新しい資産運用ビジネスの確立に取り組んでいます。
制度改正を背景に広がる金融スタートアップの創業支援
金融・保険業の一部が公的な創業支援制度の対象となった背景には、2023年の制度改正があります。「中小企業信用保険法施行令及び株式会社日本政策金融公庫法施行令の一部を改正する政令(令和5年政令第201号)」によって対象業種が見直されたことで、従来は利用が難しかった一部の金融関連事業者についても、日本政策金融公庫の融資や信用保証制度などを活用できる可能性が広がりました。
今回のみなと投資の事例は、新興ファンド運用会社にとって、公的な創業支援制度を活用した資金調達という選択肢を示す一例となります。ファンド運用会社の新規参入が促されれば、スタートアップや未上場企業に資金を供給するプレイヤーの多様化にもつながることが期待されます。
みなと投資株式会社について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | みなと投資株式会社(Minato Fund Inc.) |
| 所在地 | 福岡県福岡市中央区大名2-6-11 Fukuoka Growth Next |
| 代表者 | 代表取締役 小板橋 達也 |
| 事業内容 | 個人向けVC「みなとファンド」の組成・運営、個人投資家と未上場企業をつなぐ金融サービスの開発・運営 |
| 認定・届出 | 国家戦略特別区域特例ファンド資産運用等事業(内閣府)、適格機関投資家等特例業務(金融庁) |
| 公式サイト | https://www.minato.fund/ |
参考
ファンド組成前の資金調達について
川西崇弘「新興GPの独立を阻む『ファンド組成前』の資金繰り」
関連政令
中小企業信用保険法施行令及び株式会社日本政策金融公庫法施行令の一部を改正する政令(令和5年政令第201号)
記事要約(Summary)
みなと投資株式会社は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」と、西日本シティ銀行を取扱金融機関とする「福岡市創業支援資金(スタートアップ資金)」を併用し、創業期のデットファイナンスを実施しました。金融・保険業の一部が公的な創業支援制度の対象となった2023年の制度改正以降、新興運用会社が日本政策金融公庫の創業融資と自治体制度融資を併用する事例としては九州初となります。福岡の「金融・資産運用特区」を拠点に個人向けVC「みなとファンド」を展開する同社は、今回の資金調達を通じて事業基盤を強化し、個人投資家と未上場企業をつなぐ新たな金融サービスの開発・運営を進めていきます。
■プレスリリース配信元-みなと投資株式会社























この記事へのコメントはありません。