「RESILIENCEランダー」、フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げ成功
月面輸送サービスの新章がスタート
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役CEO & Founder 袴田武史、証券コード:9348)は、2025年1月15日(水)午後3時11分(日本時間)、米国フロリダ州ケネディ宇宙センターからSpaceX社のFalcon 9ロケットを使用してMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”のRESILIENCEランダーを打ち上げました。さらに、同日午後4時44分(日本時間)、ロケットからの分離を確認し、Mission 2マイルストーンのSuccess 2を達成したことをお知らせいたします。
ミッション2 マイルストーンとは

ispaceはMission 2の成功に向け、打ち上げから月面着陸までの10段階のマイルストーンを設定しています。それぞれの段階で具体的な基準を設け、達成状況を評価。得られた結果は次回以降のミッションにフィードバックされ、月面輸送技術とサービスのさらなる向上を目指しています。なお、各マイルストーンの進捗状況は公式サイトなどを通じて適宜公開する予定です。
その他マイルストーン

マイルストーン | クライテリア |
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Success 1(完了) | – RESILIENCEランダーすべての開発工程を完了 – 打ち上げロケットへの搭載が完了 – 世界の多様な地域で柔軟にランダーを組み立てることができる能力の実証 |
Success 2(完了) | – ロケットからランダーの分離が完了 – ランダーの構造が打ち上げ時の過酷な条件に耐えられること、および設計の妥当性を確認するとともに、将来の開発ミッションに向けたデータを収集 |
Success 3 | – ランダーと管制室との通信を確立し、姿勢の安定を確認するとともに、軌道上で安定した電源供給を確立 |
Success 4 | – 初回の軌道制御マヌーバを実施し、ランダーを予定軌道へ投入 |
Success 5 | – 打ち上げ約1か月後に、月フライバイを完了:深宇宙航行を開始 |
Success 6 | – 太陽の重力を利用した全ての深宇宙軌道制御マヌーバを完了し、月周回軌道投入マヌーバ準備を完了 |
Success 7 | – 最初の月周回軌道投入マヌーバによるランダーの月周回軌道投入が完了 – ランダーとペイロードを月周回軌道に投入する能力を再実証 |
Success 8 | – 着陸シーケンスの前に計画されている全ての軌道制御マヌーバを完了 – ランダーが着陸シーケンスの開始準備が出来ていることを実証 |
Success 9 | – 月面着陸を完了させ、今後のミッションに向けた着陸能力を実証 |
Success 10 | – 着陸後の月面での安定した通信と電力確保を確立 |
ミッション2のペイロード
Mission 2では、RESILIENCEランダーに以下の6つのペイロードを搭載し、輸送しています。
- 高砂熱学工業株式会社による月面用水電解装置
- 株式会社ユーグレナによる月面環境での食料生産実験モジュール
- 台湾・国立中央大学宇宙科学工学科開発の深宇宙放射線プローブ
- 株式会社バンダイナムコ研究所の「GOI 宇宙世紀憲章プレート」
- ispace EUROPE開発のマイクロローバー「TENACIOUS」
- スウェーデンのアーティストによる「ムーンハウス」
また、RESILIENCEランダーには、ユネスコが保護する人類の言語と文化遺産を記録したメモリーディスクも搭載しています。
ispace代表取締役CEO 袴田武史のコメント
「本日ミッション2の打ち上げ及びロケットからのRESILIENCEランダーの分離を、多くの関係者の皆さまと共に見届けることが出来き、感慨深い思いです。RESILIENCEは今日、深宇宙に向けて旅立ちました。これは、ispaceがシスルナ経済圏を構築し、お客様のペイロードを月面に輸送するサービスを提供するための、新たな章の始まりを意味します。今後、着陸までの残りのマイルストーンの達成を、適宜ご報告してまいります。」
ispace代表取締役CEO 袴田武史
ispaceの未来とグローバル展開
ispaceは、日本・ルクセンブルク・アメリカの3拠点で活動し、統合的なグローバル企業として宇宙開発を推進しています。2026年にはMission 3、2027年には日本法人が開発中のシリーズ3ランダーを用いたMission 6を実施予定です。
これにより、NASAのアルテミス計画を含む世界的な月面ビジネスの需要に応えるとともに、月市場の拡大に貢献していきます。
企業情報

株式会社ispace
ビジョン:「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」
ispaceは2010年に設立された宇宙スタートアップ企業で、月面資源開発に注力しています。Google Lunar XPRIZEのファイナリストとしての実績を持ち、2022年にMission 1を成功させ、今回のMission 2へとつながる道筋を築きました。詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。
関連リンク
- HAKUTO-R プロジェクトページ
https://ispace-inc.com/jpn/m1
■プレスリリース配信元-株式会社ispace
https://companydata.tsujigawa.com/company/3030003001527/
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