約150人のバイヤー・飲食店関係者らが参加
イスラム圏への宮崎県産牛肉の輸出拡大へ
宮崎県は2026年8月4日、インドネシア・ジャカルタで、現地のバイヤーや飲食店関係者、政府関係者など約150人を招いた「宮崎牛レセプション」を開催した。宮崎県によると、東南アジアで「宮崎牛」をテーマとした大規模なレセプションを開催するのは今回が初めて。世界最大規模のムスリム人口を抱えるインドネシアを重要市場の一つと位置付け、宮崎県産牛肉の認知度向上と新たな販路の開拓につなげる狙いだ。
宮崎県産牛肉は2026年3月からインドネシアへの輸出を開始しており、今回のイベントを通じて現地の外食産業や流通事業者に対し、宮崎牛の品質やブランド力、多様な部位の活用方法を直接訴求した。
宮崎牛の品質や輸出実績を紹介 現地シェフにカッティングも提案

レセプションでは、宮崎牛の特長やこれまでの輸出実績について紹介するセミナーを実施した。あわせて、宮崎県産牛肉の輸出を支える「SEミート宮崎」の最新鋭施設についても説明し、生産から加工、輸出までの取り組みを現地関係者に紹介した。その後、宮崎牛を使ったカッティングパフォーマンスを行い、部位ごとの切り分け方や特徴、調理方法などを現地のシェフや飲食業界関係者へ提案した。
高級和牛の海外展開では、サーロインやヒレなどのロイン系部位に需要が集中しやすい。今回のレセプションでは、それ以外の部位にも焦点を当て、宮崎牛全体の価値を高める新たな利用方法の提案が行われた。
サーロイン炙り寿司やすね肉の味噌煮込みなど7品を提供

イベントには宮崎県内で活躍するシェフも現地入りし、宮崎牛を使ったオリジナル料理を計7品提供した。メニューには、宮崎牛のサーロインを使用した炙り寿司や、すね肉を活用した味噌煮込みなどが登場。高級部位だけに限定せず、多様な部位を日本料理や現地の食文化にも応用できる形で紹介した。
現地関係者からは料理の味や肉質を高く評価する声が相次いだ。
高級日本料理店のシェフからは、現在使用しているアメリカやオーストラリア産の牛肉と比較しながら、今後、宮崎牛の使用を検討したいとの意見が寄せられた。
また、飲食店経営者からは「すべての料理がおいしかったが、特に味噌煮込みがおいしかった」との評価があり、インドネシア市場ではステーキとしての提供も好まれるのではないかとの声があった。
インドネシア商工会議所「他のWagyuより柔らかい印象」

インドネシア商工会議所の関係者からは、宮崎牛について、一般的な「Wagyu」と比較して、より柔らかい印象を受けたとの評価が示された。インドネシアでは日本産和牛を含め「Wagyu」の認知が広がっている一方、産地やブランドごとの差別化も重要になっている。宮崎県では、「宮崎牛」という地域ブランドの品質や受賞歴、生産背景を伝えることで、他の和牛ブランドとの差別化を進める考えだ。
在インドネシア日本国大使館からも、将来性の高いインドネシア市場に日本を代表する味を紹介するイベントとして、開催時期を含め高く評価するコメントが寄せられた。
JETROジャカルタ事務所からは、今後は長期的な視点でインドネシアの消費者や事業者にどのように販売していくかが重要になるとの指摘があり、宮崎牛が進めるブランド戦略と今後の展開に期待が示された。
地方自治体が単独ブランドを訴求 現地でも先進的な取り組みと評価
レセプション後には、現地のバイヤーや飲食店関係者らとの意見交換も行われた。宮崎県によると、今回、ロイン系以外の部位を使用した料理を複数提供し、具体的な調理・活用方法まで紹介したことで、現地関係者から多くの好意的な評価を得たという。さらに、日本の地方自治体が主体となり、一つの地域ブランドを前面に打ち出して海外市場へプロモーションする手法についても、現地では先進的な取り組みとして評価された。
単なる試食イベントにとどまらず、輸入事業者、外食事業者、行政機関などとの接点を構築したことで、今後の商流形成につながる機会となった。
宮崎牛とは?厳格な基準を満たした宮崎県産黒毛和牛

「宮崎牛」は、宮崎県内で出生し、最も長く飼養された黒毛和牛のうち、定められた厳格な基準を満たす牛肉にのみ認められるブランドだ。日本食肉格付協会による格付けで肉質等級4等級以上であることに加え、県内種雄牛、または家畜改良のため指定された種雄牛を一代祖である父牛に持つことなどが条件となっている。
宮崎牛は、5年に一度開催され「和牛のオリンピック」とも呼ばれる「全国和牛能力共進会」で高い評価を獲得してきた。
これまで4大会連続で最高位となる内閣総理大臣賞を受賞。2022年10月に鹿児島県で開催された第12回全国和牛能力共進会でも、脂肪の質など「おいしさ」に関連する評価区分で内閣総理大臣賞を獲得しており、「おいしさ日本一」としてブランド力を高めている。
宮崎県産牛肉の輸出量は過去最高の1,760トン

宮崎県産牛肉の海外輸出も拡大している。宮崎県によると、2025年度(令和7年度)の宮崎県産牛肉の輸出量は過去最高となる1,760トンを記録した。さらに2026年3月からはインドネシア向けの輸出を開始。これまでの主要市場に加え、成長が続く東南アジアやイスラム圏への販路拡大が今後の重要なテーマとなる。
人口規模が大きく、中間所得層・富裕層の拡大が続くインドネシアでは、高品質な日本産食品への需要拡大も期待されている。
インドネシアを足掛かりにイスラム圏での販路拡大へ
宮崎県は今後も関係機関と連携し、インドネシアをはじめとするイスラム圏で宮崎牛のプロモーションを進める。高級部位だけではなく、さまざまな部位の調理法や食べ方を提案することで、飲食店での採用拡大や新たな商品開発につなげる考えだ。
「宮崎牛」というブランドそのものの認知を高めながら、現地バイヤーや飲食事業者との商流を構築できるかが、今後の海外展開を左右するポイントとなりそうだ。
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記事要約(Summary)
宮崎県は2026年8月4日、インドネシア・ジャカルタで東南アジア初となる「宮崎牛レセプション」を開催し、現地のバイヤーや飲食店関係者、政府関係者ら約150人に宮崎牛をPRした。イベントでは宮崎牛の品質や輸出実績を紹介したほか、カッティングパフォーマンスやサーロインの炙り寿司、すね肉の味噌煮込みなど計7品を提供。現地関係者から肉質や料理に高い評価が寄せられた。宮崎県産牛肉の2025年度輸出量は過去最高の1,760トンに達しており、2026年3月にはインドネシアへの輸出も開始。今後は世界最大規模のムスリム市場であるインドネシアを足掛かりに、イスラム圏での宮崎牛の認知拡大と販路開拓を進める方針だ。























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