住友林業、LeTechを買収し賃貸住宅事業を拡大
土地調達から開発・販売まで一貫体制を強化
住友林業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:光吉 敏郎)は、2025年3月28日に開催した取締役会において、株式会社LeTech(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:宮地 直紀)の全株式(自己株式を除く)を金融商品取引法に基づく公開買付けにより取得することを決定しました。本公開買付けを2回に分けて実施し、LeTech社を完全子会社化することを目指します。
本買収により、住友林業はランドセット事業の強化と賃貸住宅事業のさらなる拡大を図ります。これにより、中期経営計画「Mission TREEING 2030 Phase2」で掲げた2027年の国内住宅販売目標10,300戸の達成を確実なものとし、さらなる成長を実現していきます。
公開買付けの背景と目的
国内住宅市場の変化と成長戦略
住友林業グループは2022年に策定した長期ビジョン「Mission TREEING 2030」において、2030年の国内住宅事業における経常利益600億円の達成を目指しています。その中で、2027年の国内住宅販売10,300戸を計画し、競争が激化する住宅市場に対応する方針を示しています。
特に、人口減少に伴う新設住宅着工戸数の減少が予想される中、戸建注文住宅では8,000棟の販売確保を目指しシェア拡大を進めます。また、賃貸住宅市場は持家住宅の取得負担の増大や単独世帯の増加により、今後も安定した需要が見込まれる分野です。不動産投資市場も堅調に推移しており、2024年の賃貸住宅の資産規模は前年対比8%増の83.2兆円に達すると予測されています(出典:株式会社価値総合研究所・株式会社ニッセイ基礎研究所)。
このような市場環境の変化を踏まえ、住友林業は2024年からランドセット事業を開始し、賃貸住宅事業の拡大を図っています。今回のLeTech社の買収は、その戦略をさらに加速させる重要な一手となります。
株式会社LeTechに対する公開買付けの概要
項目 | 内容 |
---|---|
対象会社 | 株式会社 LeTech (証券コード: 3497) |
方法とプロセス | 普通株式、新株予約権及びA種種類株式の公開買付け(二段階 TOB) |
公開買付期間 | 第一回公開買付期間: 2025年3月31日から2025年5月14日 |
第二回公開買付期間: 2025年5月27日から2025年6月23日(予定) | |
買付価格 | 第一回公開買付価格: 普通株式686円/株、新株予約権1円/個、A種種類株式1円/株 |
第二回公開買付価格: 普通株式 1,500円/株、新株予約権1円/個、A種種類株式1円/株 | |
買付予定数の下限 | 第一回公開買付け: 7,290,465 株 |
第二回公開買付け: 定めない | |
買付予定数の上限 | 第一回公開買付け: 定めない |
第二回公開買付け: 定めない | |
資金の調達方法 | 自己資金 |
2024年7月期実績 | 売上高: 148億円<br>営業利益: 15億円<br>当期純利益: 11億円 |
その他 | 株式会社 LeTech の取締役会は、同社特別委員会の答申を経て、当社グループによる公開買付けに対する賛同の意見及び株主に対して応募の推奨を表明しております。住友林業株式会社は株式会社 LeTech の筆頭株主である株式会社エルティー等との間で第一回公開買付けに関して応募契約書を締結しております。また、同第 2 位株主の株式会社リーガルアセット及び同第3位株主であり株式会社 LeTech の取締役会長である平野哲司氏との間で第一回公開買付け、第二回公開買付けに関して不応募契約書を締結しております。 |
応募に関する<br>お問い合わせ先 | 大和証券株式会社(公開買付代理人)<br>電話番号: 0120-010101<br>平日: 8:00~18:00(土・日・祝日・年末年始を除く)<br>※ご利用の際には、電話番号をお間違えのないようご注意ください。 |
株式会社LeTech買収の意義
LeTech社の強みとシナジー効果
LeTech社は、東証グロース市場に上場する不動産ディベロッパーで、「LEGALAND」ブランドを展開し、東京・大阪を中心に賃貸・収益用マンションの開発を行っています。土地仕入れから開発、賃貸リーシング、売却までの一貫した事業展開を強みとしており、これらのノウハウを活用することで住友林業のランドセット事業を強化できます。
本買収により、LeTech社は従来の商業地域や駅近のRC造中心の開発に加え、防火地域外や郊外での木造開発が可能となり、事業エリアと規模の拡大が期待されます。さらに、住友林業が保有する土地情報や顧客基盤の活用により、賃貸住宅事業のみならず、分譲住宅事業、不動産仲介・管理事業など幅広い分野でのシナジー効果が見込まれます。
今後の展望
持続可能な住宅開発と環境貢献
住友林業グループは、森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。「Mission TREEING 2030」では、木造建築の普及を通じてCO2の長期固定を実現し、社会全体の脱炭素化に貢献することを目指しています。
今後は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)、LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅、ネットゼロカーボンビルの推進を加速させ、建設時と居住時のCO2排出量削減を実現していきます。LeTech社との連携により、環境負荷の少ない建材・資材を活用したサステナブルな住宅開発を推進し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
本買収により、住友林業はLeTech社の持つ土地調達・開発のノウハウを活用し、ランドセット事業の強化と賃貸住宅事業の拡大を推進します。これにより、2027年の住宅販売目標10,300戸の達成に向けた基盤を強化するとともに、持続可能な住宅開発を加速させます。
詳細は、2025年3月28日付「株式会社LeTech(証券コード:3497)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」をご確認ください。
URL: https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250328503618.pdf
■プレスリリース配信元-住友林業株式会社
https://companydata.tsujigawa.com/company/4010001090011/
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