見積工程を7から6に削減
属人化解消とサプライチェーンDXへ
特殊精密切削工具メーカーの株式会社東鋼(本社:東京都文京区、代表取締役社長:寺島誠人)と、製造業向けAIシステムを開発する匠技研工業株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:前田将太)は、製造業における見積業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するため、販売提携を締結しました。
今回の提携では、東鋼が自社で導入・運用してきた製造業特化型AI基幹システム・AIエージェント「匠フォース」を、取引先や協力工場をはじめとする製造業各社へ紹介します。
東鋼は2024年に「匠フォース」を導入し、従来の紙・Excel・Accessを中心とした見積業務をデジタル化しました。その結果、見積工程を7工程から6工程に削減したほか、使用ツールの集約や承認業務のデジタル化、担当人員の再配置など、具体的な業務改善を実現しています。
両社は、システム開発企業としての匠技研工業の技術力と、製造現場でDXを実践してきた東鋼のノウハウを組み合わせ、製造業における見積業務の属人化解消や生産性向上を支援します。
将来的には、企業間で見積情報や図面データを円滑に共有できる環境の構築も視野に入れ、サプライチェーン全体の業務効率化を目指します。
東鋼と匠技研工業が販売提携、製造業の見積業務DXを支援
今回の販売提携は、製造業の現場で培われた実践的なDXノウハウを、より多くの企業へ展開することを目的としています。東鋼は1937年の創業以来、特殊精密切削工具のオーダーメイド製造を手掛け、これまでに5万種類以上の工具を供給してきました。一品一様の製品づくりを特徴とする同社では、製品形状や加工方法、材料、数量、要求精度などに応じて製造工程が変わるため、見積作成には高度な専門知識と経験が求められます。
一方、製造業では担当者ごとの判断基準の違いや、紙・Excelを利用した情報管理などによって、見積業務の属人化や情報の分散が課題となっています。こうした状況を踏まえ、東鋼は2024年から「匠フォース」を導入し、見積業務の標準化とデータ活用を推進してきました。
今回の提携では、実際の導入企業として得た知見を共有することで、同様の課題を抱える企業が自社の業務に適したDXを進められるよう支援します。
AIシステム「匠フォース」の導入で見積業務を効率化
東鋼では「匠フォース」の導入に際し、従来の業務を単純にシステムへ置き換えるのではなく、見積作成から承認までの業務フローを見直しました。見積基準の標準化、情報管理の一元化、承認プロセスのデジタル化を進めることで、複数のツールを使用していた従来の業務を効率化しています。
「匠フォース」導入前後の業務改善効果
| 比較項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 見積業務の工程 | 7工程 | 6工程 |
| 使用ツール | 3つ | 2つ |
| 見積業務の担当人員 | 従来体制 | 1名削減し、別業務へ再配置 |
| 承認方法 | 紙への押印を含むアナログ承認 | システム上で承認 |
| 業務管理 | 複数の工程・ツールで管理 | 業務管理とツールを集約 |
| 見積情報 | 複数の場所に分散 | データとして蓄積・活用 |
これらの改善により、東鋼では見積業務に関与する人員を1名削減し、創出した人的リソースを別の業務へ再配置しました。同社は今回の取り組みを単なる省人化ではなく、限られた人材をより付加価値の高い業務へ振り向けるための業務改革と位置付けています。また、蓄積した見積データを過去の実績分析やAIによる見積支援に活用することで、見積精度の向上や業務のさらなる高度化も進めています。
製造業の見積業務で課題となる「属人化」と「情報の分散」
製造業では、同じ図面をもとに製品を製造する場合でも、企業によって設備構成や加工方法、原価計算の考え方が異なります。特に特殊精密切削工具のようなオーダーメイド製品では、見積作成のたびに個別の判断が必要となり、担当者が持つ経験や専門知識に依存しやすい傾向があります。その結果、過去の見積情報を十分に活用できない、担当者によって見積基準が異なる、承認に時間がかかるといった問題が発生する場合があります。
こうした課題を解決するためには、単にAIやデジタルシステムを導入するだけでなく、各社が持つ見積ロジックを整理し、組織全体で共有できる仕組みを構築することが重要です。東鋼は自社での「匠フォース」導入を通じて、見積基準の整理や業務フローの再設計を実践してきました。
今回の提携では、こうした製造現場に根ざした経験を活用し、各企業の業務実態に即した見積業務DXの推進につなげます。
製造業向けAI基幹システム「匠フォース」とは
「匠フォース」は、匠技研工業株式会社が開発・提供する、製造業に特化したAI基幹システム・AIエージェントです。部品メーカーや材料業者などの見積業務を対象として、業務の属人化解消、見積精度の向上、作業効率化を支援します。過去の図面や見積情報をデータベースとして蓄積し、類似案件の検索や過去実績の参照、見積作成の効率化に活用できることが特徴です。また、各企業が長年培ってきた見積ノウハウをデータとして蓄積することで、個人の経験に依存していた知識を組織全体の資産として活用できるよう支援します。
東鋼では「匠フォース」を単なる見積作成ツールではなく、経営・営業・製造部門の業務改善につながるデータ基盤の一つとして位置付けています。
データドリブン経営を推進、見積情報を企業の経営資産へ
東鋼がDX推進の基本思想として掲げているのが「データドリブン」です。これは、担当者の経験や推測だけに頼るのではなく、日々の業務から得られるデータを蓄積・可視化し、業務改善や経営判断に活用する考え方です。同社ではDXの目的と手段を次のように整理しています。
- 目的: 営業利益を向上させる
- 手段: データを活用して業務や経営状況を可視化する
- 道具: システムを構築し、継続的に活用する
こうした方針のもと、見積作成の効率化だけでなく、蓄積したデータを経営判断や営業活動、製造工程の改善につなげる取り組みを進めています。両社は、このような実践的なデータ活用の考え方も製造業各社へ共有し、システム導入後の継続的な業務改善を後押しします。
技術コラムや工場見学会を通じてDXの実践事例を発信
今回の販売提携により、東鋼と匠技研工業は以下の取り組みを進めます。
- 「匠フォース」の紹介・普及
東鋼の取引先や協力工場をはじめ、製造業各社へ「匠フォース」を紹介します。 - 導入・運用ノウハウの共有
見積業務の棚卸し、業務フローの再設計、見積基準の標準化、承認業務のデジタル化など、東鋼が実践した取り組みを共有します。 - 情報発信・見学機会の活用
東鋼が運営する技術コラムサイト「特殊精密切削工具.com」やメールマガジン、工場見学会などを通じ、実際の導入事例や業務改善のポイントを発信します。 - 製造業の課題・ニーズに関する共同検討
現場の課題や要望を両社で共有し、「匠フォース」の機能や活用方法について継続的に検討します。
これらの活動を通じ、システムの機能紹介だけでは伝わりにくい導入プロセスや運用上の工夫を、製造現場の視点から共有していく方針です。
将来的にはサプライチェーン全体の見積・受発注業務を効率化
東鋼と匠技研工業は、個々の製造企業における見積業務DXに加え、サプライチェーン全体の生産性向上も目指しています。将来的には、東鋼と取引先・協力工場などの「匠フォース」利用企業間で、見積情報や図面データを円滑に連携できる環境の構築を視野に入れています。こうした情報連携が進むことで、企業間のコミュニケーションを円滑にし、見積回答の迅速化や受発注に関わる業務負担の軽減につながることが期待されます。
なお、企業間の見積・図面データ連携は今後の検討構想であり、今回の提携時点で実現した機能ではありません。両社は、それぞれが持つ技術力と実践的なノウハウを生かし、製造業全体の持続的な発展と生産性向上に貢献していく方針です。
株式会社東鋼について
株式会社東鋼は、1937年創業の特殊精密切削工具メーカーです。オーダーメイドによる特殊精密切削工具の提案型受注生産を中心に、医療用術具のOEM・ODM・OBM事業などを展開しています。長年培ってきた精密加工技術を強みに、一品一様のものづくりを通じて多様な製造ニーズに対応しています。
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社東鋼 |
| 代表者 | 代表取締役社長 寺島 誠人 |
| 所在地 | 〒113-0033 東京都文京区本郷5-27-10 |
| 創業 | 1937年(昭和12年) |
| 事業内容 | 特殊精密切削工具の提案型受注生産、医療用術具のOEM・ODM・OBM |
| 公式サイト | https://www.toko-tool.co.jp/ |
| 技術コラムサイト | https://special-precision-cutting-tool.com/ |
| ECサイト | https://tokotool.official.ec/ |
提携先企業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 匠技研工業株式会社 |
| 代表者 | 代表取締役 前田 将太 |
| 本社所在地 | 東京都文京区 |
| 事業内容 | 製造業向けAI基幹システム・AIエージェント「匠フォース」の開発・提供 |
お問い合わせ先
株式会社東鋼
電話番号:03-3815-5811
受付時間:平日9:00~17:00
メールアドレス:[email protected]
記事要約(Summary)
特殊精密切削工具メーカーの東鋼と、製造業向けAIシステムを開発する匠技研工業は、AI基幹システム「匠フォース」の普及を通じて、製造業における見積業務DXを推進する販売提携を締結しました。東鋼では2024年の導入以降、見積工程の削減、使用ツールの集約、承認業務のデジタル化、担当人員の再配置など、具体的な業務改善を実現しています。今回の提携では、その導入経験とノウハウを取引先や協力工場などへ共有し、見積業務の属人化解消や業務効率化を支援します。さらに将来的には、企業間で見積情報や図面データを連携する仕組みの構築も視野に入れており、サプライチェーン全体の生産性向上を目指します。
製造現場の実践知とAI技術を組み合わせた今回の取り組みは、中小製造業を含む幅広い企業における見積業務のデジタル化や、データドリブン経営の推進につながることが期待されます。
■プレスリリース配信元-株式会社東鋼

























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