独自開発の超伝導電子加速器を活用し
アクチニウム225の世界最大級の商用製造拠点を構築
株式会社NovAccel(本社:茨城県土浦市、代表取締役:山下了)は、経済産業省が実施する「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(イノベ構想推進立地支援事業)」の第6次公募において、同社の「次世代がん治療薬原料(Ac-225)のグローバル供給拠点構築計画」が採択されたことを発表しました。今回の採択を受け、福島県双葉郡浪江町に、独自開発の超伝導電子加速器を活用した医療用ラジオアイソトープ(RI)の新たな製造拠点を整備します。
新拠点では、次世代のがん治療法として期待される「標的アルファ線治療(TAT)」に不可欠な原料「アクチニウム225(Ac-225)」の安定供給を目指します。
世界的に供給不足が課題となっている医療用RIの国産化を進めるとともに、国内外の製薬企業や研究機関への供給体制を強化し、福島県浜通り地域における産業集積や新たな雇用の創出にも貢献する計画です。
次世代がん治療「標的アルファ線治療」とは?Ac-225の需要が世界的に拡大
近年、がん治療の分野では、放射性物質を利用してがん細胞を選択的に攻撃する「標的アルファ線治療(TAT:Targeted Alpha Therapy)」が注目されています。標的アルファ線治療は、がん細胞などの特定の標的に集積する薬剤と、強いエネルギーを持つアルファ線を放出する放射性核種を組み合わせる治療法です。アルファ線は到達距離が短いため、周辺の正常組織への影響を抑えながら、がん細胞に集中的なダメージを与えられる可能性があります。こうした特性から、新たながん治療の選択肢として研究開発が進められています。
その中でも、アクチニウム225(Ac-225)は、標的アルファ線治療用の放射性医薬品を開発するうえで重要な原料の一つです。世界各国の製薬企業がAc-225を利用した治療薬の臨床開発を進めており、今後も需要の拡大が見込まれています。
一方で、Ac-225は製造方法や生産設備に制約があり、世界的な供給能力の不足が課題となっています。十分な供給量を確保できないことは、創薬研究や臨床試験、将来的な医薬品の商業化を進めるうえでの障壁となっています。
NovAccel独自の超伝導加速器技術でAc-225の安定供給を目指す
株式会社NovAccelは、「がんがあたりまえに治る未来を、加速する。」をミッションに掲げ、次世代のがん治療を支える技術開発に取り組む企業です。同社は、独自の小型超伝導加速器技術を基盤として、高効率な電子線照射と医療用RIの製造プロセスの開発を進めてきました。超伝導加速器は、超伝導技術を活用して荷電粒子を加速する装置です。医療用放射性同位元素の製造などへの応用が期待されています。NovAccelは、こうした技術を活用し、これまで製造量が限られてきたAc-225の生産能力を拡大することで、安定した供給体制の確立を目指しています。
今回、福島県浪江町に新設する施設は、同社が開発してきた技術を実装する世界最大級のAc-225商用製造拠点として計画されています。将来的には国内市場への供給だけでなく、海外の製薬企業や研究機関に向けた供給も視野に入れ、グローバルな医療用RIサプライチェーンを支える拠点としての展開を目指します。
経済産業省の補助金に採択、福島県浪江町に製造施設を新設
今回採択された「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」は、福島県の復興や産業振興、雇用創出などを支援する制度です。NovAccelの事業は、「福島イノベーション・コースト構想」の推進に関連する立地支援事業として採択されました。同社は補助金を活用し、浪江町における製造施設の新設や設備投資を進める方針です。
採択事業の概要

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業者 | 株式会社NovAccel |
| 補助事業 | 自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金 |
| 対象事業 | イノベ構想推進立地支援事業(第6次公募) |
| 採択事業名 | 次世代がん治療薬原料(Ac-225)のグローバル供給拠点構築計画 |
| 立地場所 | 福島県双葉郡浪江町 |
| 主な実施内容 | 超伝導加速器を用いたAc-225製造施設の新設および関連設備投資 |
| 事業目的 | 医療用RIの国産化・安定供給、国際的な供給体制の強化、地域産業振興、雇用創出 |
新拠点の整備により、国内での医療用RIの製造基盤を強化するとともに、海外からの供給に依存するリスクの低減にもつなげる考えです。
福島・浜通り地域の産業振興と持続的な雇用創出にも貢献
NovAccelが新たな製造拠点を設ける福島県浪江町は、東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興に向けて、産業基盤の再構築が進められている地域です。
同社は、最先端の加速器技術や医療用RIの製造事業を通じて、地域経済の活性化にも取り組む方針です。
医療用RIの供給基盤を整備し、関連産業の集積を促進
浪江町の新拠点では、国内外の製薬企業や大学、研究機関などに向けた医療用RIの供給体制を構築します。これにより、放射性医薬品の研究開発を支えるだけでなく、加速器技術や医療関連分野における企業・研究機関との連携拡大も期待されます。福島県浜通り地域における先端技術産業の集積を促し、新たな産業基盤の形成に寄与することを目指します。
加速器工学や品質管理などの専門人材を育成
新施設の整備・運営に伴い、加速器工学、化学、品質管理などの専門分野における人材の確保や育成にも取り組みます。高度な専門技術を必要とする製造事業を地域に展開することで、継続的な雇用機会を生み出し、地域で働く人材の定着や育成につなげる考えです。こうした取り組みを通じて、浪江町の住民の自立・帰還を支え、持続可能な地域社会の発展に貢献することを目指しています。
広島の施設に続く新拠点、Ac-225のグローバルサプライヤーを目指す
NovAccelは、広島の施設に続く新たな製造拠点として、福島県浪江町での事業展開を進めます。今後は、補助金を有効活用しながら施設整備を着実に進めるとともに、独自の超伝導加速器技術を活用した製造プロセスの高度化を推進します。特に、医療用RIの製造において重要となる品質の確保や生産能力の向上に取り組み、商業規模での安定供給を実現する体制を整えていく方針です。
また、国内の医療用RI供給基盤の強化に加え、国際的な創薬サプライチェーンへの貢献も視野に入れています。同社は、高品質なAc-225を継続的に供給できるグローバルサプライヤーとしての地位確立を目指し、次世代がん治療薬の研究開発と実用化を支えていきます。
株式会社NovAccelについて
株式会社NovAccelは、医療用超伝導加速器の研究・開発を手がける茨城県土浦市の企業です。独自の加速器技術を活用し、標的アルファ線治療などの次世代がん治療に不可欠な医療用RIの製造・安定供給を目指しています。「がんがあたりまえに治る未来を、加速する。」というミッションのもと、革新的ながん治療薬の研究開発を支える供給インフラの構築に取り組んでいます。
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社NovAccel(ノバセル) |
| 代表者 | 代表取締役 山下 了 |
| 所在地 | 茨城県土浦市虫掛3706-1 |
| 設立 | 2024年6月 |
| 事業内容 | 医療用超伝導加速器の研究・開発 |
| 公式サイト | https://novaccel.jp/ |
| お問い合わせ | https://novaccel.jp/contact |
記事要約(Summary)
株式会社NovAccelは、経済産業省の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」への採択を受け、福島県浪江町に次世代がん治療薬原料「アクチニウム225(Ac-225)」の製造拠点を新設する計画を発表しました。独自開発の超伝導電子加速器を活用し、世界最大級の商用製造拠点の構築を目指すことで、Ac-225の世界的な供給不足という課題の解決に取り組みます。また、医療用RIの国産化や安定供給体制の強化に加え、福島県浜通り地域における先端産業の集積、専門人材の育成、持続的な雇用創出への貢献も目指しています。
今後、浪江町の新拠点が、次世代がん治療薬の開発を支える国際的な供給基盤として、どのように発展していくのか注目されます。
■プレスリリース配信元-株式会社NovAccel

























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