日本神話を冠した新鉱物「アマテラス石」発見
ヒスイから得た貴重な成果
東京大学、山口大学、京都大学、高輝度光科学研究センター、株式会社リガクが共同で行った研究により、日本の国石であるヒスイから新鉱物「アマテラス石(学名:Amaterasuite)」が発見されました。これにより、日本の石文化と鉱物学の新たな一ページが刻まれました。本鉱物は、化学組成と結晶構造の両面で新たな特性を有しており、日本神話の天照大神にちなんで命名されました。この発見は、ヒスイの新たな視点を提供し、鉱物学的にも非常に重要な意義を持つものです。
研究の背景
ヒスイは日本文化において非常に重要な役割を果たしており、その堅牢さと美しさから古代より道具や装飾品、さらには国石として愛されてきました。2016年に日本鉱物科学会によって国石として選定され、国内外で高く評価されています。これまで、ヒスイには特定の鉱物が少量含まれることが知られており、その中から新鉱物が発見されることもありました。
今回の発見は、岡山県大佐山地域で採取されたヒスイからアマテラス石という新鉱物を発見したことによるもので、これまでのヒスイに関する理解を深める重要な成果となっています。
アマテラス石の特徴と命名

アマテラス石は、化学組成および結晶構造において新規性が確認され、国際鉱物学連合(IMA)により正式に新鉱物として承認されました。理想的な化学組成は「Sr4Ti6Si4O23(OH)Cl」であり、これまでに知られた鉱物とは異なる特性を示します。この鉱物は、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)を中心に、ケイ素(Si)、酸素(O)、水素(H)、塩素(Cl)を含み、独自の形成反応を示唆しています。
また、結晶構造においては、異なる二つの構造要素が同時に含まれており、これが鉱物の二面性を持つという特徴を持っています。この特性は、日本神話の天照大神に由来し、荒魂と和魂という二面性を反映したものとして命名されました。
鉱物学的な意義と新たな視点
アマテラス石の発見は、ヒスイの形成過程や進化を考察する上で重要な視点を提供します。従来のヒスイの成因に関する理解を超え、未知の地質環境や作用の存在を示唆していると考えられています。この新たな発見は、鉱物学のみならず、結晶学や地質学の研究においても注目されています。
発表と論文掲載
この研究成果は、2025年8月7日に「Journal of Mineralogical and Petrological Sciences」に発表される予定です。本論文では、アマテラス石の化学組成や結晶構造、そしてその鉱物学的な意義について詳述されています。
- 雑誌名:Journal of Mineralogical and Petrological Sciences
- 題 名:Amaterasuite, Sr4Ti6Si4O23(OH)Cl, a new mineral from jadeitite, a representative stone of Japan
- 著者名:Daisuke Nishio-Hamane*, Mariko Nagashima, Yuki Mori, Masayuki Ohnishi, Norimasa Shimobayashi, Takashi Matsumoto, Mitsuo Tanabe (* : 責任著者)
- DOI: 10.2465/jmps.250420
- URL: https://doi.org/10.2465/jmps.250420
発表者・研究者等情報
・東京大学物性研究所
浜根 大輔 技術専門職員
・山口大学大学院創成科学研究科
永嶌 真理子 若手先進教授
・高輝度科学研究センター
森 祐紀 研究員
・京都大学理学研究科
下林 典正 教授
・株式会社リガク
アプリケーションラボ ライフサイエンスグループ
松本 崇 グループマネージャー
・アマチュア鉱物研究家
大西 政之
田邊 満雄
記事要約(Summary)
新鉱物「アマテラス石」は、日本の国石であるヒスイから発見された新しい鉱物で、化学組成と結晶構造において従来の鉱物には見られない特徴を持っています。日本神話の天照大神にちなんで命名され、荒魂と和魂という二面性を結晶構造に反映しています。この発見は、ヒスイに対する新たな視点を提供し、鉱物学および地質学における重要な一歩となります。研究成果は2025年8月に発表され、今後の鉱物学研究に大きな影響を与えることでしょう。
■プレスリリース配信元-リガク・ホールディングス株式会社
https://companydata.tsujigawa.com/company/7010001214351/

























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