日本製鉄株式会社 (本社:東京都千代田区、代表:橋本 英二) は、2024年の経営方針を発表しました。同社は、昨年の鉄鋼業界における厳しい状況を乗り越え、海外戦略や脱炭素化などの課題に積極的に取り組むことで、総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーを目指します。
昨年は、世界的な製造業や建設業の低迷や、中国経済の減速などの要因により、鉄鋼製品の価格が大幅に下落しました。一方で、中国やインドの生産増加に伴い、原料価格は高止まりしました。これにより、製品と原料の価格差が拡大するという、過去にないほどの困難な環境に直面しました。この状況は、今後も続く構造的な問題であると考えられます。
そこで、同社は、今後の経営戦略の柱として、海外戦略を強化することを掲げました。特に、経済安全保障の観点から、市場の分断や対立によって形成される新たなサプライチェーンに対応することが重要だと述べました。その一環として、米国のUSスチールの買収を進めることで、中国から米国・北米への鉄鋼需要のシフトに対応することを目指します。また、脱炭素化というメガトレンドにも注目し、研究開発を推進することで、環境に優しい鉄鋼製品の開発に努めます。
具体的な施策としては、以下の7点を挙げました。
- 国内製鉄事業では、変動費の削減と固定費の改善により、コスト競争力を高めるとともに、構造改革とトータルマネジメント力の強化を進める。
- 設備エンジニアリング力と設備管理力を向上させることで、生産効率や品質を向上させる。
- 営業力を一層強化し、高度な注文に応えることができる新鋭設備で高付加価値製品を集中生産する。
- 原料から製造、流通までを自社の事業領域とし、連結ベースでの付加価値創造力を高める。
- 脱炭素の研究開発において、フロントランナーとしての地位を維持する。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させることで、業務効率化、生産性向上、競争力向上に貢献する。
- インドのAM/NS Indiaの能力増強を確実に実施し、タイを中心とするASEANの事業構造を深化させるとともに、米国・北米市場への本格的な参入に取り組む。

これらの施策により、同社は、2025年度には実力損益で1兆円以上の利益を確保することを目標としています。さらに、1億トンの生産能力を持つ鉄鋼メーカーとしてのビジョンを具体化し、総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーへの復権を目指します。また、人材の採用や活躍を促進するための人事・広報施策も各部門や職場で実行していきます。
同社の社長は、「大きな変動をチャンスとして捉え、社長として、今後とも先頭に立って戦っていく決意です」と述べました。
本件に関するお問い合わせは、総務部広報センター(03-6867-2135)までお願いいたします。
■プレスリリース配信元-日本製鉄株式会社
https://companydata.tsujigawa.com/company/3010001008848/
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